憲法記念日

最近余り聞かなくなったのですが私の十代、二十代の頃は盛んにこの日が話題に上りました。若気の至りで、ごく自然に左よりだったらしい私(当時そんなことーー左も右もーーさっぱり解らなかった・・・)は、「憲法記念講演会?」だかが、東京都文京公会堂で開催されると何かで読み、講師陣が大内兵衛氏、我妻栄氏というので大学の友人と物見雄山気分で出かけていきました。当時の月刊誌には「世界」「中央公論」等々が書店の店頭に高く積みあがって人目を引いていました?いや私の目を引いていただけかもしれません。「世界」を持ったり読んだりすることが、大学生の矜持と勝手に思い込んでいた私でしたからやっぱり左(リベラルとか言うらしいです)にかぶれていたのだと思います。実際行ってみると、ほとんど男子ばかり、渋谷の美味しいうどん屋さん(広い道の両側に喫茶店が所狭しとばかりにびっしり立ち並んでいた場所の片隅のうどん屋さん)でおなか一杯になっていた私たちは眠くなって、素晴らしい先生方のお話も上の空、睡魔との戦いでした。でも一生懸命に聞こうとしていたのです。なんと健気な~今なら平気で熟睡していたでしょうに!でも周囲の学生たちは、真剣そのもの、大内氏・我妻氏に対してはそれはもう、始終顔を上げて始終尊敬の眼で質疑応答のようなことをして、とても盛り上がっていました。何が面白いんでしょうね~、私にはさっぱり分からないのですが~。5月3日憲法記念日というと、昨日のように半世紀以上前、昭和39年の東京オリンピック後、右肩上がりに景気の上昇気流に乗って強力なアクセルを切った時代の空気感と戦後日本の青春だった独特の甘酸っぱさの香りが漂うのです。